あなたはただ鳥の歌を、
樹々の緑を、
多次元のサイケデリックな
花の色を楽しむ。
存在を体験するには
何もする必要もない。
することをやめなければならない。
どんな緊張も、
どんな心配もない、
空っぽの状態に
いなければならない。
この静謐な状態の中で、
あなたは私たちを取り巻く
音楽とのある諧調の中に入る。
突然、太陽の美しさに気づく。
一度も日没を
楽しんだことのない人、
一度も日の出を楽しんだことの
ない人が無数にいる。
彼らにはその余裕がない。
彼らは絶えず働き、
生産し続けている。
― 自分のためではなく、
ずる賢い既得権益者たちのためだ。
権力の座にあり、
人類を操る能力を
持った者たちのためだ。
当然彼らは、
仕事は偉大なことだと
あなたたちに教える。
― それは彼らの利益にもなる。
そしてその条件づけが
あまりにも深くなってしまって、
あなたは自分が
なぜくつろぐことが
できないのかの理由すら
分からない。
瞑想のあらゆる技法とは、
あなたたちが手放しのアートを
思い出すのを手伝うための
方法に他ならない。
私が思い出すというのは、
あなたたちが既に
それを知っているからだ。
そして、あなたは今も
それを知っている。
ただその知識は、
社会によって抑圧されている。
単純な原理が
思い出されなければならない。
肉体が最初であるべきだ。
ベッドに横になって ―
そしてベッドには毎日横に
なっているものだから、
何も特別なことはいらない ―
ベッドに横たわったら、
眠りが来る前に、
目を閉じて、
自分の足から来るエネルギーを
見守り始めなさい。
どこかに何かの緊張があるかどうか。
足には、腿には、胃にはどうか?
そこに何かのこわばり、
何かの緊張はないか。
そしてもし緊張を見つけたら、
ただそれをくつろがせようと
するだけでいい。
そしてくつろぎが
来るのを感じない限り、
そのポイントを
動いてはいけない。
手を通って行きなさい。
― 手というのはあなたの
マインドだからだ。
手はあなたのマインドに
つながっている。
もし右手が緊張していたら
あなたの大脳の左側が
緊張することになる。
左手が緊張していたら、
あなたの大脳の右側が
緊張することになる。
だからまず手を通って行きなさい。
― それはほとんどあなたの
マインドの枝のようなものだ ―
そしてその後で、
最後にマインドに戻りなさい。
全身がくつろいだら、
マインドは既に90パーセント
くつろいでいる。
肉体はマインドの拡張に
他ならないからだ。
それからマインドの中にある
10パーセントの緊張だが・・・
ただそれを見守りなさい。
すると見守るだけで、
その雲は消えていく。
数日かかるだろう。
それはひとつのコツだ。
するとそれはあなたが
非常にくつろいでいた
子供の頃の体験をよみがえらせる。
ベッドから始めなさい、毎晩だ。
二、三日のうちに、
そのコツをつかめるだろう。
そして一旦その秘訣を知ったら、
― 誰もあなたにそれを
教えることはできない。
あなた自身の肉体の中で
あなたが探求しなければならない ―
そうしたら日中でも、
どんなときでも、
くつろぐことができる。
そして、
くつろぎのマスターであることは
この世で最も素晴らしい
体験のひとつだ。
これこそが霊性への
大いなる旅の始まりだ。
なぜなら完全に手放しになったら
その人はもはや
肉体ではないからだ。
これまで単純な事実、
何かの緊張、何かのこわばり、
何かの痛みがあるときにしか、
自分の肉体を
意識しないという事実に
気づいたことはないだろうか?
全身がくつろいだら、
それだけあなたは自分が
肉体であることを忘れる。
そしてまさにその肉体を
忘れることに中に、
肉体の中に隠されている
新しい現象の、
自分が霊的存在であることの
想起がある。
手放しとは、
自分が肉体ではない永遠の
不死なるものであることを
知るための方法だ。
この世の他の宗教など
何も必要ない。
単純な手放しのアートだけで
あらゆる人は宗教的人間に変わる。
宗教とは神を信じることではない。
宗教とはローマ法王を
信じることではない。
宗教はなんらかの
イデオロギー体系を
信じることではない。
宗教とは自分の中の永遠なるものを
知ることだ。
サティヤム、シヴァム、スンドラム ―
あなたの実存の
真なるもの、
神性なるもの、
あなたの美、
あなたの優雅さ、
あなたの輝きを知ることだ。
手放しのアートとは
非物質的なるものを、
計測できないものを、
自分の真の存在を、
体験することと同義語だ。
自分でも知らずに
手放している瞬間が
わずかだがある。
たとえば、本当に
笑っているときだ。
― 腹から笑っているとき、
単に頭で
笑っているのではなく、
腹の底から笑っているとき ―
人は知らずに
くつろいでおり、
手放しでいる。
Osho